グローバル展開を目指す企業や、多様な国籍のユーザーをターゲットにしているWebサイトの多言語化は必須になってきました。ユーザーが母国語で情報を得られることで、Webサイトの使いやすさや信頼感が高まり、結果として訪問者の滞在時間やコンバージョン率も向上する傾向にあります。
Webサイトの構築でWordPressを利用している場合、プラグインを使うことで簡単に多言語対応 が可能です。 しかし、Webサイトを多言語化するためのプラグインが無数にあるため、どれが自分のサイトに最適かを見極める必要があります。
このページではおすすめのプラグインをピックアップし、その特徴や、用途に合わせた選び方を詳しく説明し、多言語化を進める際に役立つ情報をお届けしますので、ぜひご参考ください。
多言語対応の成功には、サイト構築と翻訳管理が重要 多言語対応には、まずWebサイトを多言語対応にするためのサイト構築と、運用上での翻訳管理 が重要です。これら二つの側面をしっかりとサポートする適切なプラグインを選ぶことで、スムーズかつ効果的な多言語化を実現できます。
まず、サイト自体の多言語対応を実現するためには、言語切り替え機能が必要 です。WordPressでは、「WPML」や「Polylang」、「Bogo」などが有名な多言語サイト構築用のプラグインです。「WPML」は大規模サイト向けに細かなカスタマイズとSEO対応が可能で、特に多くのページや製品を扱うECサイトや大規模なコーポレートサイトに最適です。一方、「Polylang」は軽量で使いやすく、無料でも基本的な多言語対応ができるため、初めて多言語化を行う方にもおすすめです。また、シンプルで手軽に使える「Bogo」というプラグインもあります。日本語での対応がしっかりしており、簡単な設定で多言語サイトを運営できるため、小規模なサイトやブログに適しています。
次に、翻訳の運用に関しては、コンテンツが更新されるたびに翻訳作業が必要となるため、効率的な翻訳管理が非常に重要 です。また、翻訳の質を維持・向上させるためには、精度の高い自動翻訳サービスの活用も効果的です。
例えば、「TranslatePress」は、サイト上でページを直接プレビューしながらリアルタイムで翻訳ができるプラグインです。このプラグインでは、DeepLのAPIを使って自動翻訳も可能で、手軽に高精度な翻訳を生成することができます。一方で、「DeepL API translation plugin」も、DeepLの自動翻訳を直接活用できるため、特にビジネスや情報発信を目的とするサイトでは、正確で自然な翻訳を提供する際に大きな力となります。
どちらのプラグインも、DeepLの高精度な自動翻訳を利用できるため、手動翻訳と自動翻訳を効率的に組み合わせることが可能 です。これにより、定期的なコンテンツ更新が求められる多言語サイトにおいても、スムーズな運用が期待できます。
このように、多言語対応にはサイト構築と翻訳管理の両面で適切なプラグインを選ぶことが重要です。それぞれの特徴を理解し、目的に合ったツールを選ぶことで、より質の高い多言語サイトを構築・運用することが可能です。
多言語対応にするためのサイト構築に必要なプラグイン 多言語対応にするためのサイト構築には、主に以下の2つの方式があり、それぞれに適したプラグインを使うことで、効率的にサイトを多言語化することができます。
1. ページ切り替え方式 この方式では、各言語ごとに独立したページや投稿を用意し、ユーザーが選んだ言語に応じて別のページを表示します。SEOに優れ、各言語ごとに詳細なカスタマイズが可能です。言語ごとのページを作成しやすく、サイトの運用も比較的シンプル です。
おすすめプラグイン: Polylang
Polylangは無料版でも、各言語ごとに投稿やページを独立させ、ユーザーが選んだ言語に応じてページを切り替えることができます。またメニュー、ウィジェットなどの翻訳をサポートし、手動翻訳が可能です。 Yoast SEOとの互換性があり、SEOにも配慮された多言語サイトの作成が可能です。、各言語ごとに異なるURLを設定できます。シンプルかつ使いやすいため、中小規模のサイト に適しています。
無料版と有料版の違い 無料版: Polylangは無料版で基本的な翻訳機能を提供し、投稿やページ、メニュー、ウィジェットの翻訳が可能です。 有料版(Polylang Pro): 有料版では、カスタムフィールドの翻訳や、より高度な翻訳管理、WooCommerceの完全なサポートが追加されます。
料金体系 ※2024年8月時点 Polylang Pro: €99/年で、1サイトライセンスが含まれます。
Bogo
Bogoは非常にシンプルな多言語化プラグインで、手軽に多言語対応を実現できます。 各言語に対して個別の投稿を作成し、ユーザーが言語を切り替えるたびにそれに対応したページを表示する方式です。 特長としてはデータベースにカスタムテーブルを追加しないため、軽量で、他のプラグインとの競合が少ないことです。またBogoは完全無料のプラグインで、追加の有料版はありません。 設定が簡単で、日本語のサポートが充実しているため、小規模なサイトやブログ にも向いています。
2. ページ内変換方式 この方式では、1つの投稿やページを作成し、その内容をリアルタイムで自動翻訳してユーザーに表示します 。ページ内のテキストが自動的に翻訳されるため、ユーザーは言語選択後に同じURL内で別の言語に切り替えることができます。
おすすめプラグイン: WPML
WPMLは通常、ページ切り替え方式で使用されることが多い ですが、自動翻訳機能を活用することでページ内変換方式にも対応可能です。また、カスタムフィールドやメニュー、ウィジェットなど、ほぼすべてのコンテンツを多言語化する機能を提供しています。さらに、Yoast SEOやWooCommerceなど、さまざまなプラグインにも対応可能です。
特に、WPMLのTranslation Management(翻訳管理)機能は、翻訳作業を効率的に進めるために非常に便利です。この機能を使うと、複数の翻訳者で作業を分担し、誰がどの部分を翻訳しているか、どの作業が進んでいるかを簡単に確認できます。さらに、サイト上で翻訳者を指定したり、翻訳する内容を整理して優先順位をつけることができるため、複数の翻訳者が同時に作業しても混乱することなく、スムーズに翻訳を進められます。
また、WPMLはDeepLやGoogle翻訳などのAPIと連携し、自動的にページ内容を翻訳できるため、1つの投稿で複数言語に対応したサイト構築が可能です。さらに、手動翻訳との組み合わせも可能で、大規模なコーポレートサイトや複雑なサイト に最適です。
無料版と有料版の違い
WPMLには無料版がなく、すべての機能を利用するためには有料プランが必要です。有料版は以下のようにプランが分かれています。
料金体系 ※2024年8月時点
WPML Multilingual Blog: $39/年。基本的な投稿やページの翻訳に対応しています。WPML Multilingual CMS: $99/年。カスタムフィールドやWooCommerce、テーマやプラグインの翻訳機能を含む高度なサイトに対応しています。WPML Multilingual Agency: $199/年。複数サイトやエージェンシー向けの無制限のサイトサポートが含まれています。多言語対応のサイト構築に必要なプラグインをご紹介しましたが、多言語サイトを成功させるためには、コンテンツの質やデザインを適切にカスタマイズすることも重要です。特に、ユーザー体験やブランドイメージに合った戦略的な設計が求められるため、そうした面も含めて、一度プロに相談することをおすすめします。
多言語サイトを運用していく上で、翻訳が楽になるプラグイン 自動翻訳と手動翻訳の両方に対応したプラグインを導入することで、多言語サイトの運用が格段に効率化され、スムーズに管理できるようになります。
TranslatePress
TranslatePressは、ウェブサイトの翻訳を簡単に行えるプラグインで、サイトの見た目そのままを確認しながら翻訳できる「ビジュアル翻訳インターフェース」 が特長です。ページを直接見ながら翻訳作業ができるため、誰でも直感的に操作できます。
さらに、DeepLやGoogle Translateを使った自動翻訳機能があり、ウェブサイト全体を自動で翻訳できます。自動翻訳後に手動で微調整を加えることも可能で、翻訳の精度を高めることができます。
SEO対策としても優れており、ページのURLやタイトル、メタディスクリプションなど、検索エンジンに影響する要素も翻訳できるため、多言語対応のサイトでも検索結果にしっかり表示されるようにサポートします。
また、画像も言語ごとに変更できるため、異なる言語のユーザーに合わせた適切な画像を表示させることができ、より良いユーザー体験を提供できます。
無料版でできること
基本的な自動翻訳: 無料版ではGoogle Translateを使った自動翻訳が可能です。1言語の追加: 無料版では1つの追加言語までしか対応していません。基本的な翻訳インターフェース: フロントエンド上で簡単に翻訳作業を行うことができます。有料版と無料版の違い
多言語対応: 有料版では無制限の言語を追加可能です。DeepLの統合: 有料版ではDeepLを利用した高精度の自動翻訳が可能です。SEOパック: ページスラグ、タイトル、メタディスクリプションの翻訳機能が追加され、SEO効果が向上します。翻訳者アカウント: 翻訳者専用アカウントを作成し、サイトの他の部分にアクセスさせずに翻訳作業ができる機能も有料版に含まれています。料金体系 ※2024年8月時点
Personalプラン: €8.25/月(年間€99)で、1サイトで利用可能。50,000文字の自動翻訳が含まれています。Businessプラン: €16.59/月(年間€199)で、3サイトまで利用可能。DeepL自動翻訳、200,000文字の自動翻訳、SEOパック、翻訳者アカウントが含まれます。Developerプラン: €29.09/月(年間€349)で、無制限のサイトに対応。500,000文字の自動翻訳や、全てのプロアドオンが含まれます。DeepL API translation plugin
DeepL API Translation Pluginは、DeepLの翻訳APIを利用して、WordPress内の投稿やページを自動で翻訳する機能を提供しています。これにより、ウェブサイトのコンテンツを素早く高精度に多言語化でき、ユーザーの手間を軽減します。さらに、操作は非常にシンプル で、投稿編集画面に追加される「翻訳」ボタンをクリックするだけで翻訳が開始されます。翻訳の進捗状況やAPIの使用量もリアルタイムで確認でき、効率的な管理が可能です。
無料版でできること 無料版はDeepL APIの利用が必要で、DeepLのAPIフリープランで使用可能な範囲で翻訳ができます。
有料版と無料版の違い バッチ翻訳: 有料版では、複数の投稿や製品の一括翻訳やメタフィールドの翻訳が可能です。 より多くの自動翻訳文字数: 有料版では、DeepLのProプランを使用して、より多くの文字数を翻訳できます。
料金体系 DeepLのAPI利用には「DeepL API Free」または「DeepL API Pro」のプランが必要です。
まとめ 多言語対応サイトの構築を成功させるために、サイト構築や翻訳管理に最適なプラグインをご紹介しました。これらのプラグインを組み合わせることで、大規模な多言語サイトの構築も可能です。しかし、一度プラグインを導入すると、他のプラグインに変更する際には大きな手間 がかかることがあります。
もしWebサイト公開前に、多言語サイトの保守・運用方法が分からない。多言語サイト公開後にWordPressの運用・保守がうまくいかない、プラグインの変更やアップデートが必要だが方法がわからないといったお悩みがあれば、ぜひ私どもWPセンター に一度ご相談ください。
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