WordPressエラー発生時の基本対処ステップ|原因切り分けから解決までの流れ

WordPressエラー発生時の基本対処ステップ|原因切り分けから解決までの流れ

WordPressを運用していると、思いがけずエラーや不具合が発生し、サイトがダウンしてしまうことがあります。特に初めてエラーに直面する初心者サイト管理者は「何から手を付ければよいか分からない」「サイトを壊してしまうのでは?」と不安に感じるものです。しかし、重要なのは慌てずに「共通して有効な初動フロー」を踏むこと。この記事では、まず心構えとしての基本マインドを整理し、その後「キャッシュクリア→プラグイン無効化→ログ確認→情報収集→バックアップ復元」の順に、初心者でも迷わない汎用的な対処ステップを具体的に解説します。

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1. はじめに:WordPressエラー対処の“基本マインド”

WordPressエラー対応において最も大切なのは、「落ち着いて手順を踏む」ことです。慌ててファイルをいじったり、安易にプラグインを削除すると、かえって状況を悪化させるリスクがあります。

  • 問題は必ず切り分け可能
    どんなエラーも原因を一つずつ切り分ければ、必ず解消策が見えてきます。まずは「何が悪さをしているか」を特定する意識を持ちましょう。
  • 重大度を見極める
    500エラー(Internal Server Error)や致命的なPHPエラーは緊急度が高く、自力で解決できない場合は専門家への相談も検討すべきです。一方で、キャッシュや一時的なプラグイン衝突であれば初動フローで十分対応できます。
  • ログとバックアップは味方
    エラーログは原因特定に、バックアップは最終手段の復元に役立ちます。予めログ表示と定期バックアップを習慣化しておけば、いざというときに慌てずに対応可能です。

このように、「心構え」「切り分け」「ログ・バックアップの活用」を基本マインドとして押さえた上で、次章以降では具体的な対処ステップを順に解説していきます。

2. 対処ステップ①:ブラウザ&サーバーキャッシュのクリア

ブラウザキャッシュが残る理由と危険性

結論:ブラウザはページ表示を高速化するために、CSSやJavaScript、画像などをローカルに保持します。しかし、古いキャッシュがサーバー側の最新版と噛み合わないと、エラーやレイアウト崩れを引き起こします。

理由
– ユーザー体験向上のため、同一URLでのリソース要求を省略
– サーバー負荷や通信量を削減

具体例:プラグインを更新したが、ブラウザが旧バージョンのスクリプトを読み込み続け、JavaScriptエラーが発生。

対策手順(約3ステップ)
1. ハードリロード:WindowsならCtrl+F5、Macなら⌘+Shift+Rで強制再読み込み
2. キャッシュ無効化モード:Chromeの開発者ツール(F12)→[Network]タブ→[Disable cache]にチェック
3. 全履歴削除:設定→閲覧履歴データの消去でキャッシュを完全クリア

WordPress側キャッシュ(プラグイン・サーバー)クリア手順

結論:キャッシュ系プラグインやホスティングのサーバーキャッシュも同様にクリアしないと、ブラウザのキャッシュだけでは不十分。

理由
– サーバー側で生成された静的キャッシュが優先されるため
– プラグインが最適化・圧縮したリソースもキャッシュに残る

具体例WP Super CacheW3 Total Cacheを使っている場合、プラグイン設定画面から「キャッシュの削除」を実行。

手順詳細
1. キャッシュプラグイン
– 管理画面→プラグイン→対象プラグイン設定→「キャッシュをクリア」
– CLI環境ならWP-CLIコマンド wp cache flush
2. ホスティング側キャッシュ
– ConoHa WINGやXserverなど、サーバーパネルからキャッシュ機能をオフ/クリア
– CDN(Cloudflare等)を利用時はダッシュボードでキャッシュ削除

これらキャッシュクリアを実行した後、再度サイトにアクセスしてエラーが解消されるかを必ず確認しましょう。

3. 対処ステップ②:プラグイン・テーマの無効化で原因を切り分け

WordPressのエラーは多くの場合、プラグインやテーマの不具合・競合が原因です。まずは一時的に無効化して、どの拡張要素がエラーを引き起こしているかを特定しましょう。

結論

プラグイン・テーマを一括無効化し、再度少しずつ有効化することで、どの拡張が問題なのかを迅速に切り分けられます。

理由

  • 拡張同士の相性問題
    複数のプラグインが同じフックを利用していたり、テーマが特定プラグインに依存していると、致命的エラーや表示崩れを招くことがあります。
  • バージョン不整合
    WordPressコアやPHPバージョンとのミスマッチで動かなくなるケースが増加中。特にPHP 8以降では、未対応プラグインの致命的エラーが散見されます。
  • 管理画面が落ちる前の手がかり取得
    管理画面が真っ白(ホワイトスクリーン)になる場合、プラグイン停止で一度復旧し、ログ確認へとつなげやすくなります。

具体例

  • ケース1:●●キャッシュプラグイン更新後に500エラー
    最新版の互換性不備で致命的エラー発生。無効化後に管理画面復旧。
  • ケース2:テーマのchild版CSSが古いjQuery依存で画面崩れ
    テーマをデフォルト(Twenty Twenty-One等)に切り替えたところ、原因判明。

一括無効化→一つずつ再有効化の流れ

  1. 管理画面から一括無効化
    「プラグイン」→「すべて選択」→「無効化」を実行。テーマも同様に「外観」→「テーマ」→他のデフォルトテーマを有効化。
  2. 問題再現の確認
    まずサイト全体と管理画面にアクセスし、エラーが消えたかチェック。
  3. プラグインを1つずつ有効化
    1つずつ有効化し、都度サイト表示を確認。エラー発生時に最後に有効化したプラグインが犯人。
  4. テーマ切り替え検証
    子テーマ/親テーマを順に切り替え、問題の有無をチェック。
  5. 該当プラグインのバージョンロールバック/代替プラグイン検討
    旧バージョンに戻すか、同等機能の別プラグインへ移行。

管理画面不可時のFTP操作/データベース編集

  1. FTPによるプラグインフォルダ名変更
    /wp-content/plugins/ フォルダ内のサブフォルダ名を一時的に _disabled などにリネーム。例)contact-form-7contact-form-7_disabled。これでWPはプラグインを読み込まなくなり、管理画面が復旧する。
  2. テーマ切り替え(FTP)
    /wp-content/themes/ 内で有効中のテーマフォルダ名を変更し、デフォルトテーマにフォールバック。
  3. データベースでの全プラグイン停止
    phpMyAdminで wp_options テーブルを開き、active_plugins の値を a:0:{} に書き換え。これで全プラグインが無効化される。
  4. ログイン後の個別有効化
    管理画面が復旧したら、上記の一括無効化→再有効化の流れに戻す。

注意点・ツール紹介
FTPクライアントFileZillaWinSCPなど
PHPバージョン確認:ホスティング側のコントロールパネルで簡単切り替え可能な場合あり
phpMyAdmin:データベース操作には十分注意し、必ず事前にバックアップを取得

4. 対処ステップ③:エラーログ&デバッグモードで詳細原因を特定

多くのエラーは表面だけを見ても原因が分かりません。エラーログWP_DEBUGモードで裏側の情報を取得することで、致命的エラーの箇所や不具合発生箇所を特定しやすくなります。

結論

サーバー側のエラーログ(Apache/nginx)と、WordPressのWP_DEBUGモードのログを併用することで、「いつ」「どこで」「何が」問題を引き起こしているかが明確化し、解決策を絞り込めます。

理由

  • 画面に表示されないエラーも可視化
    ホワイトスクリーン(WSOD)など、何も出力されない場合でもログにはエラーメッセージが残る。
  • ファイル名・行番号が分かる
    PHPの致命的エラーや警告は、どのプラグイン/テーマのどのファイル何行目かが出力されるため、該当部分を直接修正可能。
  • 再現手順の効率化
    エラー発生時刻やリクエストURLもログに記録されるため、同じ条件での再現テストが容易になる。

具体例

  • ケース:PHPメモリ上限超過エラー
    PHP Fatal error: Allowed memory size of 67108864 bytes exhausted in /wp-content/plugins/xxx/yyy.php on line 123
    → メモリ増量 or プラグイン修正で解決。
  • ケース:未定義関数呼び出し
    Call to undefined function foo_bar()
    → テーマ関数が呼び出されているが存在しないため、関数実装 or 呼び出し箇所無効化を実施。

サーバーエラーログ(Apache/nginx)の確認方法

  1. ホスティング管理画面
    XserverやConoHaのサーバーパネル → エラーログ確認機能
  2. SSH/FTPで直接取得
    /var/log/apache2/error.log(Apache)、/var/log/nginx/error.log(nginx)など
  3. 表示項目の読み取りポイント
    日時/リクエスト元URL/エラーメッセージ/ファイルパス&行番号

WP_DEBUGモードでPHPエラー表示&ログ活用

1. WP_DEBUGを有効化

// wp-config.php
define( 'WP_DEBUG', true );
define( 'WP_DEBUG_LOG', true );
define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false ); // 画面表示はオフにしてログだけ出力

2. ログ出力先
wp-content/debug.log にエラー詳細が追記される

3. ログの読み方
[YYYY-MM-DD HH:MM:SS] PHP Fatal error: … in /path/to/file.php on line XX
– エラーの種類(Fatal、Warning)と、関数/メソッド名、呼び出しスタックも記録される

4. 再発防止のための活用
– 定期的にdebug.logをクリアし、異常がないか自動監視
– DebugログをSlackやメールに通知するプラグイン/ツール導入

注意点
ログ量の肥大化:WP_DEBUG_LOGを常時ONにすると、ログファイルが肥大化するため、問題解消後はfalseに戻す。
パスワード漏洩リスク:一部エラーでURLやクエリ文字列が丸見えになる可能性があるため、本番環境では表示を抑制(WP_DEBUG_DISPLAY=false)し、ログ保管場所のパーミッションを適切設定。
PHP設定変更:サーバーのphp.inidisplay_errorsをOFF、error_logでログファイル指定を確認。

5. 対処ステップ④:公式フォーラム・ドキュメントで情報収集

WordPressには世界中のユーザー&開発者が情報を共有する公式フォーラムやドキュメントが充実しています。適切なキーワードで検索し、既存のQ&Aやチュートリアルを活用することで、自力解決のヒントを得られます。

結論

公式フォーラムやWordPress Codex、プラグイン作者のドキュメントを「検索のコツ」と「海外情報の活用ポイント」を押さえて使いこなせば、最新かつ正確な情報を速やかに取得できます。

理由

  • 豊富な過去事例
    同じエラーに直面したユーザーが投稿した解決策が蓄積されている。
  • 最新バージョン対応情報
    コアやPHPバージョンアップに伴うトラブルは、公式のリリースノートやフォーラムで即時共有される。
  • 海外発の先行情報
    日本語情報より数週間–数ヶ月先行して問題・解決策が投稿されることが多い。

具体例

キーワード選定と検索のコツ

  1. エラーメッセージ全文コピー
    「PHP Fatal error: Allowed memory size…」のように先頭から末尾までを引用符で囲んで検索。
  2. 限定ワードの追加
    プラグイン名/テーマ名、PHPバージョン、WordPressバージョンなどを併記し、絞り込む。
  3. 「site:」演算子活用
    site:wordpress.org “Your error message”で公式フォーラムだけを対象に検索。
  4. 英訳して海外情報を当たる
    日本語情報が少ない場合、エラーメッセージを英語にしてGoogle検索。

海外情報の活用ポイント

  • 回答の信用度を見極める
    投票数・回答の更新日時・回答者のプロフィールで信頼性を判断。
  • GitHub Issues連動確認
    プラグインリポジトリのIssuesタブで同様事例を検索し、開発者コメントをチェック。
  • 公式SlackやMake WordPressチャンネル
    Core開発者やプラグイン作者も参加するSlack #core や #plugins チャンネルで最新ディスカッションを把握できる(英語環境)。

6. 対処ステップ⑤:バックアップからの復元とリスク管理

万一、上記の手順で解決しない場合はバックアップからの復元を行います。ただし、単に戻すだけでは同じエラーを再発させるリスクがあるため、慎重な手順と事前検証が必要です。

結論

バックアッププラグインや手動取得したフルバックアップを用意し、ステージング環境でリハーサルした上で本番復元を実施すれば、リスクを最小限に抑えつつ迅速にサイトを復旧できます。

理由

  • 作業ミス・データ欠損の防止
    ステージング環境で復元手順を事前に再現し、本番環境での手順忘れや権限ミスを避ける。
  • 更新タイミングの調整
    復元後はプラグイン・テーマ・コアを最新へアップデートし、既知の脆弱性や不具合を解消。
  • 再発防止のための監査ログ取得
    復元作業ログを残し、万が一のトラブル時に原因追跡を容易にする。

具体例

  • プラグイン利用例UpdraftPlusBackWPup
    – 自動バックアップを毎日実行し、DropboxやS3に保存
    – ボタン一つで「復元ポイント選択→データベース・ファイルの復元」
  • 手動バックアップ
    – FTPでwp-contentフォルダを丸ごとダウンロード
    – phpMyAdminでデータベースをエクスポート(完全SQLダンプ)

バックアッププラグインと手動取得の比較

比較項目バックアッププラグイン手動取得
自動化毎日/毎週のスケジュール設定可手動で都度実行
保存先クラウドストレージ連携(S3, Dropbox, Google Drive等)ローカルPCまたはサーバー上
復元の容易さボタンで完全復元ファイルアップロード+SQL実行が必要
費用無料/有料プランありサーバー容量・手間コストのみ

復元時の注意点と事前検証

  1. ステージング環境でテスト
    本番サーバーとは別途用意したステージング環境でまずリストアを実行し、動作確認後、本番環境で同じ手順を再現。
  2. バージョン差分の把握
    復元前後のプラグイン・テーマ・WordPressコアのバージョンを記録。
  3. メンテナンスモード設定
    復元作業中はmaintenance.phpを活用し、訪問者に「メンテナンス中」を表示。
  4. SSL/CDNキャッシュの再連携
    復元後は必ずSSL証明書とCDNキャッシュのクリアを実施し、新データを正しく配信。

7. まとめ:安心して運用を続けるための予防策と今後の計画

サイトエラーは避けられないものですが、「初動フローを身に付け」「ログとバックアップを活用」「情報収集力を高め」れば、初心者でも慌てず確実に対処できます。

  • 今すぐ取り組むべき理由
    エラーを放置するとSEO順位低下やユーザー離脱につながり、ビジネス機会を失うリスクが高まります。
  • 予防策
    定期バックアップ/キャッシュ管理/WP_DEBUGモード運用ルール化/セキュリティプラグイン導入
  • 次の一手
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