WordPressでつくったブログやWebサイトにお問い合わせ(コンタクト)フォームを付けたいとき。プラグインで実装するのが容易です。選択肢として「Contact Form 7」と「MW WP Form」が浮かびます。では、お問い合わせフォームはどちらが良いのでしょうか? Contact Form 7にもMW WP Formにも、どちらにもメリットはありますし、どちらにもデメリットやクセも存在します。今回は、Contact Form 7とMW WP Formのメリット・デメリットに分類し、ご紹介していきます。
導入には「Contact Form 7」と「MW WP Form」のどちらが良いか比較しますので、ぜひ参考にして下さい。先に結論を書くと、以下になります。
●初心者・・・MW WP Form(完了ページも取りやすく導入しやすいため)
●中級者・・・Contact Form 7(カスタマイズで色々しやすくノウハウも豊富なため)
では詳細をみていきます。
Contact Form 7のメリットは豊富な導入実績と使いやすさ
まずContact Form 7のメリットですが、導入実績が豊富です。ほとんどのサイトにお問い合わせフォームはついていますがContact Form 7は500万以上の導入実績です。一方のMW WP Formは20万の導入実績のため、単純計算で25倍の開きが存在します。Contact Form 7の方が圧倒的に導入されているのです。
また、上記画像からもわかるとおり、MW WP Formは1年以上更新がされていないこともあり、セキュリティの観点から見たときに少し不安が残ります。
また、Contact Form 7のメリットとして、プラグインのインストールボタンを押し、続いて有効化し、出てきたフォームを固定ページに貼り付けるだけで一応のコンタクトフォームできてしまうという大きなメリットが存在します。つまり簡単なのです。
Contact Form 7のデメリットはGAのコンバージョンが取りづらい
ただし、Contact Form 7には大きなデメリットが存在します。それは完了(サンククス)ページ実装が難しいため、Googleアナリティクス(以下、GA)でコンバージョンを取りづらいというものです。
GAはバージョンが上がって、GA4となりました。そしてGA4は非常に(設定が)複雑です。かつてのGAで(4ではない)計測を簡単にするには、thanks.htmlといった、お問い合わせ完了ページを表示した回数を計測すれば、容易にコンバージョン計測が可能になります。
よって、GAでContact Form 7でコンバージョン計測をしたい場合は、thanks.htmlをつくって、問い合わせ完了を計測する必要が生じます。ただ、Contact Form 7はお問い合わせが正常に完了したという情報が送信ボタンの下部にでる実装のため、送信ボタンを押した後、完了ページに飛ばすという実装が非常に複雑になってしまいます。
上記のようにページ下部に表示される仕様を、別ページ(thanks.html)に遷移する構造にカスタマイズしなければならないため、初心者にはその実装とても難しいのです。
また、インターネット上に流れる情報も、サイト更新日をよく確認しないと古いContact Form 7の仕様が説明されていることもあります。
簡単にContact Form 7でGAでのコンバージョン計測を説明しますと、以下のようになります。
① 完了ページをつくる
② 送信ボタンを押して正常にお問い合わせが飛んだ際、①に飛ばす【要プログラミング】
③ GAの「管理」>「目標」から、新しい目標を設定し、お問い合わせ完了ページの表示を設定
<注意点 カスタムフィールドの設定はバージョンが古い>
ここで注意点です。
「Contact Form 7でコンバージョン計測したいなら、カスタムフィールドの設定をしてイベントを取れば良いのでは?」
と思われるかも知れません。
たしかにカスタムフィールドの設定をお問い合わせフォームに入れ込み、イベントが上がってきた際にGAでとらえて測定すればいいのですが、2022年5月現在のContact Form 7はカスタムフィールドでは設定できても計測ができません。
2018年頃のContact Form 7では、カスタムフィールドによるコンバージョン計測ができたのですが、バージョンアップした結果、カスタムフィールドでは計測できなくなっています。よってインターネット上で検索して出てくる情報は日付に注意して下さい。昔はできたことが今はバージョンアップでできないのに、古い情報を見てしまって時間をロスすることがあります。
MW WP Formのメリットはサンクスページでコンバージョン計測が可能
一方、MW WP Formは完了ページ・サンクスページが最初から存在しますので、コンバージョン計測が容易にできてしまいます。
上記のように、フォームをつくって、ひとつずつ入力欄を入れ込み、サンクスページ(画像下部)も設定します。
完了ページへの遷移は、上記(赤ぬりつぶし)の部分からページ移動できます。この完了ページが表示された回数をGAでキャッチできれば、お問い合わせ件数の計測ができるというわけです。
MW WP Formのデメリットは導入スピードに劣る
このカスタマイズの容易さが裏を返せばMW WP Formのデメリットでもあるのです。Contact Form 7はインストールして有効化したときから、お問い合わせフォームの簡単なひな形が用意されていますが、MW WP Formはひな形がないので最初からフォームの部品を自分で設定せねばならず少し考える時間がかかります。
何も考えずサクッとお問い合わせフォームを導入したい場合は、MW WP Formはスピード感に劣る部分があるというのがデメリットです。また、データベースに情報が入るので、セキュリティの観点から少し不安が残ります。外部からのメッセージがデータベースに入るのはよく考えるととても怖いですよね。
MW WP Formのクセはデータベースの利用が難しい
MW WP Formは、お問い合わせの内容(内容のみ)をデータベースに保存してくれます。お問い合わせが大量になるときやデータを管理・分析したいときにとても便利です。
MW WP Formの設定ページのサイドバーに、【設定】欄がありますから、「問い合わせをデータベースに保存」するだけで簡単にデータベースへ保存できます。
ただし、データベースに保存すると、お問い合わせが文字通りデータベースに入ってしまいますので、テストサイト等に移動する際、データベースごと引っ越ししなければなりません。もちろんWordPressは引っ越しの際にデータベースも移動させなければなりませんが、壊れないように配慮するという点では、複雑さが少し増すといえるでしょう。
まとめ
Contact Form 7とMW WP Formのどちらが良いかというと
●初心者・・・MW WP Form(完了ページも取りやすく導入しやすいため)
●中級者・・・Contact Form 7(カスタマイズで色々しやすくノウハウも豊富なため)
というところです。
Contact Form 7はとても便利なのですが、サンクスページがないのが困ったところです。では「アップデートされてサンクスページが実装されるのを待てば良いのでは?」と思われるかも知れません。しかしその望みは薄いです。Contact Form 7は開発者がカンファレンスで「thankyouページがないのがイケてる実装」と話したことがあり、設計思想としてサンクスページの実装がないのが仕様なのです。つまり、これからもサンクスページの実装がされるのは望みが薄いかもしれません。
そこで出てきたのがMW WP Formという後発のフォームという点もあり、初心者にはMW WP Formがおすすめです。フレキシブルなカスタマイズが可能なのとデータベースに保存ができるのが魅力です。
セキュリティの観点から見ると、Contact Form 7もMW WP Formもどちらもスパムを弾けて、reCAPTCHAの認証もつけられるので双方とても便利な問い合わせフォームです。また、世界に導入されている件数も(とくにContact Form 7は)多いため、ノウハウが豊富です。
ただ、クラッキング(ハッキング)リスクはプラグインを入れれば入れるほど増えていきます。本格的でセキュア(安全)なサイトを作るのであれば、プロの手を借りるのが一番です。安全が脅かされてからでは遅いので、ぜひ私どもに一度ご相談下さい。
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